わたしたちの食生活において、砂糖はかかせない存在です。
日常の料理に使用することはもちろんこと、市販のお菓子や飲み物など、口にするたくさんの食品に砂糖が含まれています。
では、普段摂取している砂糖が健康面ではどのような影響があるか考えたことはありますか?
砂糖は人の体を動かすために必要なエネルギー源で、生活する上で欠かせません。
しかし、日頃摂取している白砂糖には健康リスクがあることも事実です。
今回は、どのようなリスクがあるのか?回避するためにどのような糖類を摂ればよいのか?について解説します。
白砂糖の作り方
まずは砂糖の種類について知っておきましょう。
私達が日常生活でよく使う白砂糖、実は正式名称ではありません。正式には上白糖と呼ばれるものになります(記事の中では白砂糖と記載しています)。
「砂糖」とひとくくりで説明されることが多いですが、実はその種類は多岐にわたります。
砂糖の原料は大きく分けて、さとうきび由来の「甘しょ糖」、てん菜由来の「てんさい糖」の2つ。
どちらの原料も、精製して不純物を除くとまったく同じ砂糖になります。
市販の砂糖は、大きく2種類に分類されます。
砂糖の主成分であるショ糖の結晶のみを取り出して作られる「分蜜糖(精製糖)」と、結晶と糖蜜を混合したまま作る「含蜜糖(粗糖)」です。
分蜜糖には、ザラメ糖(グラニュー糖)・車糖(白砂糖・三温糖)・加工糖(角砂糖・氷砂糖・粉砂糖)などが含まれます。含蜜糖には、黒砂糖、和三盆などが含まれます。
白砂糖は体に悪影響?
砂糖は、人が活動する上で必須となるエネルギー源のひとつ。
しかし白砂糖を過剰摂取してしまうと、リスクが生じることもあります。
WHOの指針によると「1日の糖類の摂取量は小さじ6杯分までが理想。多くても、1日に摂取するカロリーの10%以内に収める」ことを推奨しています。
参照:1日の糖類は小さじ6杯分まで WHOが新指針:日本経済新聞
血糖値の上昇
まず、砂糖の特徴としてあげられることが「血中に取り込まれるのが早く、血糖値を上昇させやすい」ことです。
白砂糖を摂取して血糖値が上昇すると、血糖値を下げるために血中にインスリンが大量放出されて低血糖を引き起こしやすくなります。
低血糖とは、血液中のブドウ糖が少なくなりすぎた状態のことで、高血糖とともに良い状態とは言えません。
インスリンが血中に放出されると一時的に気分が落ち着くなどの効果が得られますが、それは一時的なものに過ぎません。
低血糖の状態が続くと、体は下がった血糖値をもとに戻すためにアドレナリンを放出します。
アドレナリンが放出されると、通常時より怒りっぽくなった、りイライラしたり、集中力が低下してしまったりするのです。
ビタミンB1、カルシウムの欠乏
白砂糖をはじめとした糖類は、体内で分解される際にビタミンB1を必要とします。
ビタミンB1の摂取量が足りないとビタミンB1欠乏症になり、 鬱や慢性疲労、めまいや貧血、頭痛や記憶障害などの症状を引き起こしやすくなります。
加えて、酸性の食品である砂糖が体内に入ると、それらを中和するために体内のミネラルが使われます。
その中でも多く消費されるカルシウムは白砂糖にはほとんど含まれないため、 体内の骨や歯を溶かして必要量が供給されます。
その結果、虫歯や骨粗鬆症の間接的原因になってしまうこともあります。
「ノンシュガー」の落とし穴
砂糖の摂取を避けるために「ノンシュガー」や「糖分カット」の食品を選ぶ方もいるのでは。
でもちょっと待って。実はノンシュガー製品にも、リスクが潜んでいる場合もあります。
日本の法律上、「ノンシュガー」「シュガーレス」「糖類ゼロ」「無糖」などの表記が許される条件は「食品・飲料に含まれる糖類の量が0.5g未満」であること、と定められています。
ちなみに「微糖」「低糖」「糖分控えめ」「糖分カット」などの表記が許される条件は「食品100gあたりに含まれる糖類が5g以下」であるケース、もしくは「飲料100mlあたりに含まれる糖類が2.5g以下のケース」となります。
いずれのケースも、糖類が全く使用されているわけではありません。
加えて、ノンシュガーの製品でも甘味料がまったく使われていないわけではありません。
ノンシュガー製品はあくまで糖類の規制が行われているだけ。代替する甘味料やアルコール、などには規制はありません。
ノンシュガー製品に使われている代表的な甘味料はサッカリン、アスパルテーム、ネオテーム、ステビア、アドバンテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなど。
もちろん摂取量にもよるのですが、食品添加物として利用される甘味料には健康面のリスクを抱えているものもあります。
アセスルファムカリウムなどの代表的な甘味料のリスクについては、以下の記事でご紹介していますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
食品添加物の正しい知識を身につけよう!特に注意したい食品添加物5つ | AmiNature(アミナチュール) | フルーツ農家が発信する内側から「キレイ」になるメディア
白砂糖の代わりになるヘルシーな砂糖
白砂糖を摂取することで引き起こるリスクを抑えるためには、何に注意すればよいのでしょうか。
その解決策のひとつが「白砂糖の代わりに天然由来の糖類を摂取する」という方法です。
天然由来の糖分は、精製された砂糖に比べて栄養素が豊富です。食材本来の栄養を補う役目を果たすことができます。
今回は、特に栄養に優れ健康に良いとされる4つの糖類について紹介します。
てんさい糖・きび糖
砂糖の原料となるサトウキビ、またはてんさいを元に作られた原料糖を、精製することなくそのまま販売したものが、てんさい糖・きび糖です。
精製がされていないために、茶色がかっていることが特徴です。
熱帯の植物であるさとうきびから作られるきび糖は体を冷やす作用が、寒冷地で育つてんさいから作られるてん菜糖は、体を温める作用があります。
きび糖のメリットは、サトウキビ由来のミネラルなどが豊富に含まれていることです。
運動後や間食などに黒糖を食べることで、日常で不足しがちなミネラルを補うことができます。
てんさい糖のメリットは、オリゴ糖が主成分なためにどのような料理にも合わせやすいということ。
日常で料理に使っている白砂糖をてんさい糖に置き換えるだけで、砂糖摂取時のリスクを低減できます。
ただしてんさい糖、きび糖共に色がついているため、素材の色を活かした料理には不向きです。
食材の色移りを防止したい場合は他の砂糖を使うようにしましょう。
マヌカハニー
栄養価の高さから近年注目を集めつつあるマヌカハニー。
マヌカハニーとは、ニュージーランドに自生しているマヌカと呼ばれる低木の花蜜から採れるはちみつのことです。
そんなマヌカハニーには、ビタミンやミネラル、酵素などが豊富。
なかでも特筆すべき成分がメチルグリオキサール(MGO)です。MGOには抗菌・抗癌作用があるとされており、特にピロリ菌に対する殺菌作用が強いです。
他にも、栄養価が高いため単純に栄養食品としても優秀ですし、虫歯や口内炎、歯周病の予防にも効果があります。
マヌカハニーの効果・効能 | All About マヌカハニー
ただし、マヌカハニーに限らずはちみつ全般において、1才未満のお子さんには絶対に与えてはいけません。
はちみつには、ボツリヌス菌と呼ばれる細菌が含まれていることがあります。
この菌は通常体内で消化されるため危害を及ぼすことはありませんが、1才未満の子どもの場合には耐性がついていないために感染してそのまま死に至る危険性があります。
ある程度年齢が経ってから与えるようにしましょう。
果糖
果糖とは、主に果物やはちみつなどに含まれている糖類です。
ブドウ糖と結合して、ショ糖を構成することもあります。
果糖は甘さが強い割に血糖値の上昇が緩やかだとされており、白砂糖に比べヘルシーです。
果糖が多く含まれている果物はビタミンやミネラル、酵素や食物繊維などが豊富なため、普段の食生活で補いにくい栄養素を摂るためにもオススメな糖類です。
ただし、果糖は過剰に摂取すると中性脂肪が蓄積されやすくなり、コレステロールの合成を促進する悪影響があります。
肥満のもととなってしまうので、摂取は適量に抑えるようにしましょう。
果糖が多く含まれる果物の適正摂取量は、1日あたり80kcal程度です。
果物の上手な摂り方 | 健康教室 | 人間ドック・健診は大阪・堺の社会医療法人 生長会 ベルクリニック
まとめ
料理やお菓子作りに欠かせない、白砂糖。
まったくゼロにする必要はありませんが、摂取しすぎると体に負担をかけてしまう可能性があります。
これは、ノンシュガー製品であっても同じこと。
甘味料が使われている食品は、砂糖が使用されている食品と健康リスクがさほど変わらないこともあります。
可能であれば、砂糖や甘味料が使用されていない天然由来の糖類を摂るようにしたいですね。
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フルーツ本来の自然な甘さでが凝縮された贅沢で優しい口当たりですので、ぜひ試してみてくださいね!