みなさんは普段、食品添加物について普段どれくらい意識していますか?
食品添加物はさまざまな食品に微量に含まれているため、1つの食材だけにフォーカスすればよいわけではありません。
例えば1つの食材では問題がなくとも、それを食べ続けることによって有害な物質が蓄積して最終的に体に悪影響が出てしまう、ということも考えられますよね。
今回は、食品添加物とはどのようなものなのか、特に注意すべき食品添加物はあるのか、食品添加物とどのようにつきあっていけばいいのかということについてご紹介します。
健康を考えるなら、食品添加物についても考えてみませんか?
食品添加物とは?
食品添加物とは、食品を製造する際に使用される物質のことです。
日本では、厚生労働省を中心とした科学的な検査を受け認可されたものだけを利用することができます。
「食品添加物」と聞くと化学物質を使った有害なもの、というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、すべてのものがそうとは限りません。
食品添加物は、大きく「天然」のものと「人工」の2つに分けられます。
例えば豆腐を固めるために使用される「にがり(塩化マグネシウムなど)」、ごはんを黄色に染めるために使用する「サフラン」など、人々が昔から使用してきた添加物は、天然由来です。
これらに加え、近代科学の発展で開発された化学物質を加えて「食品添加物」と呼びます。
特に気をつけたい食品添加物5つ
食品添加物は、一般的には適正量であれば害のないものとされています。
しかし、有害性を指摘されているものがあることも事実です。
そこで、特に危険だとされている食品添加物5つをご紹介します。
1.アスパルテーム
アスパルテームとは、砂糖の代わりに用いられることが多い人工甘味料のことです。
砂糖に比べて低カロリーながら、天然の糖に比べてかなりの甘さを持っているため、低カロリーシュガーやガムなどに用いられることが多いです。
正しい摂取量を守っていれば害はないとされていますが、唯一摂取を避ける必要のある人がいます。
それはフェニルケトン尿症の新生児です。
フェニルケトン尿症とはフェニルアラニンと呼ばれる物質の代謝が上手く働かない病気で、アステルパームもフェニルアラニン化合物に相当するため危険です。
摂取してしまうと、脳機能障害を起こすリスクがあります。
アステルパームは「アスパムテーム・フェニルアラニン化合物」と記載する義務がありますので、該当するご家族がいる場合は商品の表示を必ず確認するようにしましょう。
2.アセスルファムカリウム
ノンアルコールビールには食品添加物が多く含まれており、なかには有害だとされているものもあります。
その中でも代表的なものが、アセスルファムカリウムです。
アセスルファムカリウムは、先程紹介したアステルパームと同様の甘味料です。
アセスルファムカリウムには塩化メチレンが含まれており、塩化メチレンは発がん性物質であるとの指摘も。
他にも、血糖値の上昇に関連があるとされていたり肝臓や腎臓に負担がかかるなど、悪影響も大きいとされています。
参考:安全?人工甘味料アセスルファムkの特徴と危険性 | 人工甘味料専門ページ | ピントル
3.亜硝酸塩
亜硝酸塩は、ハムやソーセージなどの食肉加工品、魚肉ソーセージや明太子などの魚肉加工品に使用されています。
亜硝酸塩は法律で定められた量を使用すれば問題ないとされていますが、肉や魚などに含まれる「アミン」という物質と結合して発がん性物質に変化するのではないかとの指摘もあります。
参考:亜硝酸塩はアミン類に反応して、ニトロソ化合物という強烈な発がん物質を生み出す | ビジネスジャーナル
アメリカでは乳幼児向けの食品で利用を禁止していることから、海外でも危険視されている添加物であるといえます。
4.トランス脂肪酸
トランス脂肪酸とは、主にマーガリンやサラダ油などに含まれています。
マーガリンの原料である植物油は、生乳とくらべて圧倒的に安価で日持ちします。そのため、バターの代用品として多くの食品に利用されてきました。
マーガリンに含まれているトランス脂肪酸には、心疾患のリスクを増やしたり、認知機能の低下につながるおそれがあるとされています。2003年にはWHOのレポートで「心臓疾患のリスクと関わりがある」との報告がされています。
参考: Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases
近年はトランス脂肪酸を含まないサラダ油が発売されるなど、他の食品添加物と比べ危険性が多くの人に認識されている添加物です。
5.塩化アンモニウム・リン酸塩
塩化アンモニウムとリン酸塩は、パンの材料のひとつであるイーストフードなどに含まれる食品添加物です。
イーストフードとは、パンを作る際に使われるイースト菌(パン酵母)の活動を活発にさせるための物質です。イースト菌とは別物で、イースト菌のエサと考えるとわかりやすいかもしれません。
イーストフードは1つの物質ではなく、15種類の合成添加物と1種類の天然添加物、合わせて16種類の物質の総称です。
2種類以上の物質を混ぜて使われることが一般的で、その場合はまとめて「イーストフード」と表示することが認められています。
イーストフードのメリットは、短時間でふっくらとしたパンを作ることができること。しかも低コストで実現できるため、多くの企業で採用されています。
イーストフードに使われるそれぞれの物質は厚生労働省の許可を得て使用されているのですが、一部の物質については人体に街のあるおそれがあるとの意見も根強く残っています。
塩化アンモニウムは大量に摂取すると吐き気を催す可能性も。他にもイーストフードに含まれるリン酸塩は、骨に悪影響を与えるとの報告もあります。
参考:イーストフードの危険性とは | たべるご
実際のところ、イーストフードに使われる物質の一部は海外で使用禁止になっているものもあります。
現在では「イーストフード不使用」を表記してあるパンも幅広く販売されています。
健康に気をつけたい方はそちらを試してみては。
食品添加物と上手に付き合うためにはどうすればいい?
食品添加物には危険が潜んでいるケースもあるとお伝えしましたが、食材を形作ったり、長持ちさせるためには食品添加物は必須です。
添加物の中にはにがりやクチナシなど昔から使われてきたものもあり、すべての添加物が危険というわけではありません。
加えて、現代では多くの食品に食品添加物が使われているため、完全に食品添加物を避ける食生活も難しくなっています。
そこで、食品添加物とどのようにして付き合うべきなのかということについてご紹介します。
天然と人工の添加物を区別する
食品添加物に対する偏見を取り除くためには、まず天然のものと人工のものを区別することが重用です。
昔から利用されている天然由来の添加物であれば、健康被害も少なくなることが想定されます。
日本で認められている天然由来の添加物(既存添加物)のリストはこちらです。
添加物の詳細をチェックするなどして、それが天然であるのか科学物質であるかを判断しましょう。
健康に気を配っている表記がされた商品を選ぶ
近年は健康に対する意識も向上してきたこともあり、多くの企業が健康に配慮した製品を販売しています。
例えば「グルテンフリー」「トランス脂肪酸未使用」「イーストフード不使用」といった表示がされている食品は健康意識の高いユーザーに向けて発売されているため、他の商品に比べて食品添加物の使用が抑えられています。
例えば、コンビニ大手のセブンイレブンでは、リン酸塩の不使用、トランス脂肪酸の使用を抑える取り組みをしています。
参考:安全・安心へのこだわり|セブン‐イレブン~近くて便利~
このように企業が前向きに食品添加物を抑える努力をしているのであれば店頭の商品表示や広告などでもアピールポイントとして表示されます。
食材を購入する際には、食品添加物をあまり使用していないかをアピールしているか、という点を注目してみましょう。
まとめ
食品添加物は私たちの食生活をより円滑に、豊かにする一方で、危険をはらんでいる可能性もあります。
天然のものを中心に摂取しつつ、特に注意すべき添加物の量を控える食生活を送ってみてはいかがでしょうか。
偏見を持つのではなく、正しく食品添加物と付き合うようにしましょう。